発酵って何?

発酵とは目に見えない微生物の働きのことです。

細菌や酵母やカビなどの微生物は、体内に酵素というものを持っていて、この酵素はあるものを別のものに変えることができる性質を持っています。

発酵食品とはこの微生物の力を借りておいしさをパワーアップさせたり違う食べ物に変えたりした食べ物のことです。

発酵

発酵のコントロール

微生物の持つ酵素によって作り出す発酵食品ですが、どこでどんな風に微生物を使いコントロールして発酵食品をつくっているのか?

ここではまるで錬金術のような発酵のコントロールについて紹介します。

蔵の様子

納豆[簡単編]

昔から作られている日本の発酵食品!家庭でも作れる納豆の作り方

  1. 大豆
    材料大豆

  2. 浸漬(しんせき)
    浸漬(しんせき)

    洗った大豆を16℃前後の水を浸ける。これによって大豆を柔らかくする。

  3. 蒸す蒸す

    大豆を蒸して80℃~90℃にすることで他の雑菌を死滅させます。

  4. 納豆菌を散布納豆菌を散布

    高温でも生きられる納豆菌を散布
    家庭で作る場合は市販の納豆を少し入れることで納豆菌をつけることができます。

  5. 発酵発酵

    納豆菌が活動しやすい35℃~40℃に温度を下げ20時間ぐらいかけ納豆菌を繁殖させます。
    昔ながらの製法では、納豆菌が生息している稲わらで包みます。

  6. 熟成熟成

    5℃くらいに冷やしI日程熟成させます。

  7. 納豆完成納豆完成

発酵させたらどうなるの?

微生物の働きによる発酵は食べ物にとてもいい影響があります。

1.食べ物をおいしくする

微生物は酵素を使ってものを変える力をもっています。

例えば米などのでんぷんを糖分に変え甘くしたり、肉などのたんぱく質をアミノ酸に変えうま味を出したりと、食べ物をおいしくしてくれる力を持っています。

食べ物をおいしくするイメージ画像

2.栄養を高める

微生物は酵素を使って食べ物の栄養素を増やしたり、別の栄養素を作り出したりすることができます。

例えば納豆と、原料である大豆を比べてみるとムテン・ビタミンK2など大豆にはない栄養素が納豆に入っており、ビタミンB2や葉酸などの栄養素は大豆の時よりも納豆になってからのほうが増えています。

栄養を高めるイメージ画像

3.免疫力を高める

発酵食品には生きた微生物がたくさんついています。

この微生物が体内に入ると細胞にいい影響を与え、体のバランスを整えてくれます。

体の中にいい微生物をいっばい入れることによって、悪い微生物が入ってこれないようにバリアを張ったり、悪い微生物をやっつける手助けをしたりと、免疫力を高める働きをしてくれます。

.免疫力を高めるイメージ画像

4.体の代謝を高める

微生物はものを変えることのできる酵素を持っているのですが、実は人の体の中にも酵素があり、これらの酵素は食べ物をエネルギーに変えるために働きます。

つまり体内にある酵素にプラスして、この酵素を持った微生物を摂取することでエネルギーを作る力が強くなり代謝が高まるのです。

体の代謝を高めるイメージ画像

5.食べ物の保存性を高める

発酵食品にとりついている微生物たちは、その食べ物を自分たちが住みやすい環境に変えてしまいます。

すると、ほかの微生物たちにとっては住みにくい環境となり他の雑菌たちを寄せ付けなくすることができます。

例えば、そのまま放置していたらすぐ腐ってしまう牛乳も、微生物の働きでチーズにすれば、環境を酸性に変えてしまい、酸性の中では生きられない他の微生物たちを寄せ付けなくできます。

これによって保存性を高めることができます。

食べ物の保存性を高めるイメージ画像

腐敗と発酵ってどう違う?

発酵は微生物の活動によって食べ物をおいしくしたりしますが腐敗は微生物の活動によって食べ物を腐らせてしまうことをいいます。

実は発酵も腐敗も同じ微生物の働きのことなのです。単純に人間の役に立つものであれば「発酵」、役に立たたないものであれば「腐敗」といいます。

腐敗しているイメージ画像

代表的な発酵

酒類(果実などから作る酒)

  • 果物
    果物
  • 酵母
    酵母菌
  • 果実酒
    果実酒

酒類(穀物から作る酒)

  • 穀物
    穀物
  • 麹菌
    麹菌
  • 糖化穀物
    糖化穀物
  • 糖化穀物
    糖化穀物
  • 酵母
    酵母菌
  • 酒

醤油

  • 小麦
    小麦・大豆
  • 麹菌
    麹菌
  • 醤油麹
    醤油麹
  • 醤油麹
    醤油麹
  • 酵母
    酵母菌・乳酸菌
  • 醤油
    醤油

味噌

  • 米
  • 麹菌
    麹菌
  • 米麹
    米麹
  • 米麹
    米麹
  • 大豆
    大豆
  • 味噌
    味噌

  • 米
  • 麹菌
    麹菌
  • 米麹
    米麹
  • 米麹
    米麹
  • 酵母
    酵母菌
  • 酒(アルコール)
    酒(アルコール)
  • 酒(アルコール)
    酒(アルコール)
  • 酢酸菌
    酢酸菌
  • 酢

漬物

  • 野菜
    野菜
  • 乳酸菌
    野菜についている乳酸菌
  • 漬物
    漬物

ヨーグルト

  • 牛乳
    牛乳
  • 乳酸菌
    乳酸菌
  • ヨーグルト
    ヨーグルト

パン

  • 小麦粉
    小麦粉
  • 酵母
    酵母菌
  • パン生地
    パン生地

菌(微生物)の種類

酵母菌

野菜や果物、穀物、空気中や土の中までどこにでもいる菌で、パン、しょうゆ、みそ、ワイン、ビールなど様々な発酵食品を生み出すことができます。

ちなみにパンを作ることに特化した酵母菌をイースト菌と呼びます。

酵母

酢酸菌

アルコールから酢を作ることができます。

酢酸菌にも様々な種類があり、材料の掛け合わせで米酢やリンゴ酢、ワインビネガー、黒酢、バルサミコ酢などいろいろな酢を作ることができます。また発酵過程で表面に膜をつくる性質を利用した酢酸菌でナタデココを作ることができます。

酢酸菌

乳酸菌

野菜などの植物や空気中や土の中、人の腸の中など、あらゆるところにおり、ヨーグルトや漬物を作るときに活躍します。

食べ物を酸性に変えるので、保存性を高めることができます。

乳酸菌

納豆菌

枯れ草や落ち葉に生息する枯草菌の一種で、稲わらにいるものを納豆菌と呼びます。

熱に非常に強く100℃の熱湯をかけても死にません。大豆のたんぱく質をアミノ酸に変えたり、ムチンという粘り成分をつくったりして、おいしい納豆を作り出します。

納豆菌

麹菌

加熱した穀物に繁殖するカビの一種。

糖分やアミノ酸を作ることによって甘みとうまみを増やし、食べ物をおいしくします。味噌、醤油、日本酒などに使われ和食をつくるのに大きく貢献している菌です。

麹菌

日本酒[達人編]

日本を代表する酒、日本酒。

麹菌、乳酸菌、酵母菌によって米の糖化とアルコール発酵を同時に行う複雑で洗練された日本酒の作り方を紹介します。

  1. 精米精米

    米を精米し。外側にある脂肪やたんぱく質を削り取り「てんぷんだけの米」にします。

  2. 米洗い米洗い

    精米した米に付着しているぬかを水で洗い落します。さらに麹菌が成育しやすいように水に浸けます。

  3. 米蒸米蒸

    浸漬を終えた米を一時間ほど蒸し雑菌を取り除き冷気で冷やします。

  4. 麹造り麹造り

    蒸した米を35℃ぐらいまで冷やし、そこに種麹まぶし麹菌を繁殖させます。蒸した米に麹菌が成育すると、麹菌が発熱するので冷やしたりあっためたりと温度を調整しながら米麹をつくります。

  5. もと造り

    出来上がった米麹と蒸した米と水をまぜ酵母菌を入れます。これは酒母と呼ばれ、酒のもとになります。またこのとき酵母菌の働きを邪魔する雑菌から守るため乳酸を入れます。

  6. 仕込み仕込み

    酒母にさらに米麹、蒸米、水を加えもろみを作ります。この工程は、酵母菌が働きやすい分量を調節しながら、繰り返し行われます。このもろみの中では、麹菌がでんぷんを糖分に変え、その糖分を酵母菌がアルコールに変えます。

  7. 火人れ

    ちょうどよいアルコール分になったタイミングを見計らい、もろみを絞ります。もろみは米などの固形物か入っており、これを絞り酒となる液体だけをとりだします。この絞りカスは、酒かすとも呼ばれており、こちらも発酵食品として料理に利用されます。

  8. しぼりしぼり

    しぼった酒はまだ酵母菌が生きて活動していますので、そのままだと発酵がさらに進み、味が変わってしまいます。そこで60℃ぐらいの熱で酵母菌の活動を休止させ発酵を止めます。

  9. 熟成

    出来たお酒をしばらく寝かせ熟成させる。

  10. 完成完成

高島市の酒蔵・醤油蔵・酢蔵

高島市は、普段の食生活で必要な食材や調味料、さらにはお酒までほぼすべて地域のなかでそろえることができる珍しい土地です。

特に、
鮒ずしや鯖のなれずしをはじめ、醤油や酢などを作る蔵もあり、酒蔵が5蔵、醤油蔵が1蔵、酢蔵が1蔵あります。

酒蔵

高島市は、2005年に5町1村が合併してできた新しい市ですが、それ以前は、安雲川町、今津町、高島町、新旭町、マキノ町、朽木村のそれぞれが自治をしていました。

そのころの名残もあってか、現在も少なくはなりましたが、今津町(池本酒造)、高島町(福井弥平商店)、新旭町(川島酒造、上原酒造)、マキノ町(吉田酒造)と各地に酒蔵が残っています。

それぞれの酒蔵は江戸時代~明治時代から続く100年以上の歴史を持っており、米どころでもあり、平成の名水百選に選ばれた『針江の生水』など豊かな水を有するびわ湖水源地としての高島市の土地柄を活かした酒造リをしています。

  • 福井弥平商店福井弥平商店
  • 上原酒造上原酒造
  • 川島酒造川島酒造
  • 池本酒造池本酒造
  • 吉田酒造吉田酒造

酢蔵 淡海酢(有)

創業は江戸時代後期までさかのぼり、先々代に分家して、そのときから酢専業として酢を作り続けています。

地元の環境こだわり米を使い、麹作りから、甘酒、アルコール発酵をさせ、その後、酢酸発酵をさせた「淡海昔玄米」、地元安雲川で無農薬栽培されているアドベリーを漬け込んだ「アドベリービネカー」、自家製無農薬ハーブを漬け込んだ「ハ-ブビネガー」、地元の赤シソを漬け込んだ「赤シソ酢」、贅沢にも葡萄酒を発酵させた「ワインビネガー」等、さまざまな新しい商品を開発しています。

  • 淡海昔玄米淡海昔玄米
  • アドベリービネカーアドベリービネカー
  • ハ-ブビネガーハ-ブビネガー
  • 淡海酢のくろず淡海酢のくろず
  • ワインビネガーワインビネガー